数年前に耐震リフォームさせてもらった家です。

大規模リフォームになると耐震、断熱、間取りの変更水回り設備

の取替などを一緒にすることがあります。

少しづづ手を付けるよりもそのほうが経済的でもあります。

広々としたJDKが欲しいという要望は多いです。

しかし木造建築の場合、約2間(3640ミリ)くらいが梁をとばせる

限度です。

2間を超えると梁を支える柱が必要になります。

2階が載っていたりすると2階の外壁の下には柱または壁が必要に

なります。

これは耐震以前の問題でまず荷重を支えるための柱や壁が必要と

いうことです。

そして2階の外壁や2階の壁の下には壁があった方が有利です。

壁というのは筋違の入った壁です。

写真の場合は本当はLDKを分割するように2枚の壁が必要になりました。

壁を造ってしまうと部屋が分断されてしまうので苦肉の策として筋違

を表しにして耐力壁を造っています。

これも好き好きですが、何度か施工させてもらっています。

新築であればあまりこのようなことにはなりませんが、リフォーム

では今ある間取りに合わせて造ることになるので無理に部屋を広げ

ようとするとこのような壁が必要になります。

この間取りの制限や柱の必要性は消費者の方には何のことだかわか

りません。

ですから納得してもらうのは結構大変です。

2階のこの部屋を少し大きくしてほしいとか、洗面所の壁を少しずら

してほしいといった要望はプラン作成の段階で必ずと言っていいほど

出てきます。

木造軸組の家は1階と2階の壁が連動しています。

どちらかを変更すればもう一方にも変更が生じます。

自由設計と言っても制限の大きい工法です。

ましてや現代のように耐震性重視となれば耐力壁の配置だけでなく

壁の直下率も重要です。

必ずしもどんな間取りの変更にも応じてくれるのがいい工務店とは

限りません。

工務店は基準法を最低限守っていれば施工上何の問題もありません。