モデルハウスも築13年ほどになります。
構造材も経年で変色していますが、新しく訪れた方は今でも
木の香りがするといわれます。
壁の漆喰はほぼ施工時のままだとは思いますが、天井の和紙
はきっと焼けているんでしょう。
一番痛みが激しいのは床板です。
1階は杉の床板を使っています。
着工式やマルシェにも使います。
椅子や長机を置くことがあるので傷が付いています。
2階はアカマツの板を使ったのですが、やはり松は固いのか
ほとんど傷がありません。
1階と2階では使う頻度も違いますが、固さの違いはあります。
完成して間もないころ、薪ストーブがお気に入りで冬はずっと
火を灯してました。
ですから、冬の間はこの2階の床板は大きく隙間が空いてました。
薪ストーブの乾燥で床板が縮んでいたようです。
縮んだままになるかと心配しましたが、今では落ち着いて隙間が
ない状態です。
自然の素材が好きでこのモデルハウスを造りましたが、当時は
自然素材に詳しいわけではありません。
他社さんの施工事例を見よう見まねで造ってました。
床板や化粧梁の乾燥に伴う収縮、ねじれ、漆喰のひび割れは当然の
ように起きました。
それで新築をさせてもらっても事前に「このようなことが起きます」
ということは伝えていました。
「落ち着いたときに対処させてもらいます」という方法でメンテして
きました。
当社はこのモデルハウスを造るまではハウスメーカーの仕事をしていました。
ハウスメーカーは内装はすべて既製品、新建材です。
少しの傷でも目立ちます。
重箱の隅をつつくような検査があります。
それに比べると自然素材の家は重箱の隅をつつくような検査ができません。
その点では楽でした。
ただ、自然の素材はどういうものかを理解してもらう、考え方に賛同してもらう
ことが大事でした。
今ではこのような自然素材の家づくりは当たり前のように施工されています。
ただ、当社は今でも構造躯体や下地に至るまで自然素材で造っています。
構造用合板と断熱材は違いますが。
予算は厳しくても構造の部分だけは変えません。
設備は交換できますが、構造は後で替えることはできません。