「ウッドショック」
お聞きになったことがあるかもしれません。
ひょっとすると、直接なんらかの形で関わっておられるかもしれません。
住宅業界では今ちょっとした話題です。
昨日もお付き合いしている材木屋さんが関連業者を招いてZOOM会議を
開いていました。
直接材木の供給不足にあっている方もいれば全く関係のない方もいます。
「米松」「ホワイトウッド」と呼ばれる木は輸入材です。
この木材がアメリカでの国内需要の増加により価格が高騰しています。
そして中国も高値で大量に輸入し始めました。
それにより日本に入ってきにくくなり、価格が高騰しています。
当社は輸入材は使っていません。
主に吉野の杉や桧を使って家づくりをしています。
ウッドショックは今回が初めてかと思いましたが、実は3回目です。
1992年から1993年にかけて起こったのが第1次ウッドショックです。
アメリカで絶滅危惧種であるまだらフクロウなどを保護するために
伐採規制が行われました。
またカナダでも同じように規制されたので木材価格が高騰しました。
この時国内の杉の価格も上昇するのではないか、供給量の減少分が
国内の杉の需要に回ってくるのではと思われましたが、そうはなり
ませんでした。
代わりにヨーロッパのホワイトウッドやレッドウッドが選ばれました。
当時の日本の杉はほぼグリン材(乾燥処理をしていない生木)だった
ので人工乾燥されたホワイトウッドやレッドウッドが選ばれました。
しかも集成材用にラミナという板状に挽いた材料でもあったのでハウス
メーカーの集成材需要に適していました。
第2次ウッドショックは2006年です。
中国での木材需要の増加が原因です。
日本も材木は輸出していました。
主にロシアに輸出していたようですが、より高値で買い取ってくれる
中国へとシフトしましたが、「日本で売れないから買ってほしい」
では買ってはくれません。
どちらのウッドショックも1年から2年で収束しているようですし、
大きな影響は出ていません。
今回はどうでしょう。
大した影響は出ないで収束するかもしれません。
日本は世界でも有数の森林国ですが、いまだに木材は輸入に頼っています。
少しづつですが、輸入は減り、国産材の自給率が増えてきてはいますが
まだまだです。
生産体制も改善はされつつあるようですが、衰退していることには変わり
ありません。
日本の木はやはり日本の気候に適していてシロアリや湿気に強くできています。
「川上から川下まで」といって森林所有者から施主まではいろんな業種が
かかわります。
これが一本化できるような生産体制ができれば国産材の利用も増えていく
のでしょうね。