外壁のトタンの貼替を検討されている家です。
トタンというと昭和を感じさせるという人もいます。
確かにそうかもしれません。
今新築の家で屋根や外壁にトタンを使う家はまずありません。
しかし、このトタンはたくさんの家に使われています。
古い家では離れの外壁や母屋でも西面など人目につかないところ
にはよく使われました。
素材が鉄なので錆びやすいという欠点がありますが、それを防ぐ
ために亜鉛メッキを施しています。
なんといっても軽くて安いです。
1㎡当たり約5キロ程度と瓦に比べれば10分の1、外壁ではモルタル
に比べれば10分の1くらいです。
軽いということは骨組みにかかる荷重を軽減できます。
デメリットはやっぱり耐用年数が10年程度と短く、塗装などのメンテ
が必要で放置しておくと腐食してしまいます。
と言っても10年以上経過しているようなトタンもたくさん見かけます。
そして、遮音性・遮熱性がほぼないといっていいくらいです。
音は反射しますし、夏は暑く、冬は寒いという素材です。
トタンを外壁に使っている家は土壁の家が多いです。
腐食を放置しておくと雨水が侵入します。
放置すると躯体に影響を及ぼしますし、土壁を洗い流すこともあります。
屋根の母屋が外に出ている家が多いのですが、このような家にトタンが
貼ってあると母屋とトタンの隙間からでも雨が侵入します。
ここ数年の吹き降りはきついですから。
補修するとなると剥がして張り替えることになりますが、下地の胴縁も
交換になることが多いと思います。
下地がしっかりしていて、壁が外に膨らんでも支障のない造りであれば
その上から胴縁を施工して増し貼りすることもあります。
空気層ができるので若干の断熱にはなります。
トタンとよく似たものにプリント鋼鈑があります。
トタンに木目のプリントを施したものでトタンのように波板上ではなく
突起のある平板状でいろんな木目や色が選べます。
トタンよりは耐久性に優れています。
当社も物置やある程度断熱性のある家ではリフォームで使うことがあります。
安価ですし、見た目もそれほど悪くありません。
耐久性をもっと求めるのならガルバリウム鋼鈑がいいと思います。
これは屋根にもたくさん使われています。
しかし、どれも遮音性や断熱性はありませんので住居の場合はそれなりの対策
は必要です。