今、施工させてもらっている新築の家です。
構造材は吉野の天然乾燥材を使っています。
今ではほとんどの家が集成材や輸入材、日本の木であっても
機械乾燥材がほとんどです。
機械乾燥も低温で乾燥させる機械もありますがそれほど普及し
ていません。
天然乾燥は写真でもきれいな色をしているのがわかると思います。
機械乾燥の木は少し茶色くてすすけた感じの色になります。
また、臭いも違います。
天然乾燥も機械乾燥もそれぞれメリット、デメリットがあります。
そしてそれを採用している会社の持論があります。
それは集成材や輸入材でも同じです。
当社は自然乾燥材がいいと思って使っています。
中には自然乾燥材なんかないと考えている人もいるようですが、
そのようにしてくれと言えば対応してくれる材木屋さんはあります。
おそらくその材木屋さんもそれがいいと思って対応してくれている
と思います。
昔はすべてそうだったのですから。
現代の家は金物を多用する造りになっています。
そうしないと中間検査も通りません。
ある程度は金物を使わずに昔の手法で対応はできます。
この家に限らずすべて新築は手刻みで造っています。
そこで細かい部分なので写真では分かりにくいですが化粧で見える
ところは金物を使わずに「込み栓」という昔の手法で柱を固定して
います。
大工さんが化粧の材料にカンナを掛けています。
構造材だけでなく出入り枠や窓枠といった今ではすべて新建材で揃う
ところはすべて天然の木を使っているのでカンナを掛けて仕上げています。
なのでかなりの数の材料をカンナ掛けすることになります。
もちろんこのような手間も大工さんの手間賃として家づくりの施工費に
かかってきますから、新建材を使う家よりは高くなります。
しかし、このカンナ掛けというのは優れたものでこれをすると材料の表面
が光ります。
またそこの水を落としても水をはじきます。
木の表面に脂がのったような状態になります。
塗装する材料をうっかりカンナ掛けすると色がつかないことがあります。
それくらいの効果があります。
自然のままの木を使うというのはいろいろと手間がかかります。
その手間を省くために新建材があるのですが、家づくりは手間をかけることで
値打ちが上がると思います。
「丹精を込めて家づくりをする」
口で言うのは簡単で、なかなかできることではありませんが、このような手間
をかけることでその家にもいい気が残ると思います。
来週の土曜日・日曜日にこちらの家で構造の見学会をさせてもらいます。
天然乾燥や手刻みに興味のある方は見に来てください。