今新築中の家です。軸組や天井の下地ができています。

使う材料の違いはあっても今の家はほとんど同じような

造りです。

下地ができたら石膏ボードを貼ります。

石膏ボードにはクロスや珪藻土、漆喰の仕上げを施して

あとは器具類を付ければ家は完成です。

今の家は写真のように大壁と言って柱の上の石膏ボードを

貼って構造材を隠してしまう家がほとんどです。

化粧梁といって梁見せる造りは時々見かけますが、集成材

だったりすることもあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは以前リフォームさせてもらった築70年位の古民家です。

柱も梁もすべて見えています。

真壁という造りです。

石膏ボードという建材は使われていません。

壁は土壁でその上に漆喰やジュラクといった仕上を施しています。

2階の床も裏側が見えている仕上で「大和天井」または「ササラ天井」

と言われます。

 

現代の在来工法の家は筋違や合板を使って耐震性を保っています。

壁の中に筋違を入れたり柱の上に合板を貼ったりする必要があります。

となれば自然と大壁になってしまいます。

また大壁にした方が断熱材も入れやすいですし、壁も厚くなるので

厚みのある断熱材を使うことができます。

大壁には上記のようなメリットがあります。

 

昔の家、伝統工法と言われる家は筋違や合板は使われていません。

(筋違は時々使われていることがあります)

ですから、柱を覆う必要がありません。

壁の中には水平に貫という部材が使われています。

柱や梁が見えていると、いつも流れる空気に触れているので壁体内

結露といったことは起きません。

シロアリも付きません。

もし仮になにか不具合が起きてもすぐにわかります。

おかげで昔の家は長持ちしています。

外壁も今のように防水性に優れていることはありません。

おそらく雨の水も少しは侵入しているはずです。

漆喰や板貼りで仕上げているだけですから。

それでも、長持ちしています。

土壁が水分を吸収するのか、開放されているのですぐに乾燥する

のか なんでしょうね。

構造は木組みや貫で持っているのですが、現代の生活にそぐわない

のはやはり断熱性能でしょうか。

開口部の木製建具は捨てがたいですし、壁を断熱するとすれば外断熱

でしょうか。

土壁の特性は活かしたいところです。

意外と床暖房なんかはいいのかもしれません。