伝統工法による木組みの家を新築しています。

伝統工法の家というと石場建ての家をイメージする人が多いと

思います。

しかし、この家は石場建てではありません。

石場建てで申請すると確認申請がなかなか通らないのが現状です。

現代の建築基準法は在来工法の家を基準にしています。

土台は基礎に緊結することが必要です。

それ以外の方法をとる場合は特殊な判定を受けることになります。

木造軸組みには在来工法と伝統工法という種類があります。

基準法ができるまでは伝統工法の家が主流でした。

しかし、大量の住宅が必要になった時代にできたのが基準法で

伝統工法は忘れ去られました。

在来の方が管理しやすく建てやすかったからだと思います。

どちらの工法がいいか悪いかではありませんが、現代建て

られている家の98%くらいが在来工法です。

金物と筋違や合板を使って造る家です。

当社もこの家は伝統工法で造っていますが、普段はほとんど

在来工法で家を造っています。

この伝統工法で家を造ってほしいという人があまりいないの

が現状です。

というかそんな工法の家があることすら一般の消費者さんは

知りません。

日本に昔からある伝統的な技術で造る家です。

在来工法の家は耐力壁が破損すると倒壊の恐れがありますが、

伝統工法の家は足固めや差鴨居、通し貫などで家全体で耐える

構造でいきなり倒壊に至らず粘り強く抵抗します。

また元来、木と金物は相性がよくありません。

結露やさびの原因になるからですが、在来工法に比べて伝統工法

は木組みによって造られているのであまり金物は使いません。

たくさんの耐力壁を設ける必要がないので開放的な空間を確保しや

すいというメリットもあります。

このような点では伝統工法の方が優れていますが、施工に手間が

かかります。

使う材木の量も多いです。

何より大工さんの技術が必要です。

墨付け手刻みから伝統工法の家をできる大工さんは限られている

でしょう。

当社はすべての家を墨付け手刻みしています。

それでもこの工法の家は難しいです。

墨付け手刻みだけで在来工法の倍以上の手間がかかります。

そこが伝統工法の要です。

今週の3月7日の土曜日、8日の日曜日に構造の見学会をさせて

いただきます。

本当の木組みが好きな人、伝統的な家づくりに興味のある方は

見学に来てください。