日本の木造住宅の伝統的な継手に「雇い竿シャチ栓」
という継ぎ手があります。
通し柱を挟んで梁同志を引き付け合うための継ぎ手です。
雇い竿です。
これがシャチ(車知)栓です。
栗の床板加工しました。
梁に組み合わせるとこのようになります。
もう一方にも梁が組み込まれます。
同じように栓を2本打ち込むことで材同士が引き付け合う
ようになっています。
栓がやや斜めに加工されているからです。
はるか昔に中国あたりから伝わったのか少しづつ改良されて
今に至ったのかはわかりませんが、
これはわが国固有の接合と書かれている文献があります。
これで接合された梁に引っ張りの力が加わると打ち込んだ栓
が転するように動き、梁材の欠き込み部分(車知道)を横に
押し広げるような力がかかります。
しかし、雇い竿自体が梁の断面全体に入っているわけではない
のでかんたんには引き裂かれないようになっています。
(京都大学「木造建築千年の技術」からの引用)
よく考えられた技術なんですね。