家の床下は完成すると見ることのないところです。

今の家は写真のようにコンクリートの土間の上に鋼製束

という金属の束が設置されていて大引という部材を支え

ています。

その大引の上に根太や床板が貼られています。

築年数の古い古民家と言われる家はこのように自然石

を使ってその上に木の束を立てて大引を支えています。

こちらの家は築60年を経過していますが、コンクリートの

布基礎と現場打のコンクリートの束石を使っています。

昔は大引という部材も丸太がよく使われました。

設置しやすいように下の面を製材しています。

クレオソートのような防腐剤が塗布されているようです。

築60年にしては施工方法が近代的になっています。

当時の建築基準法(昭和25年制定)にのっとって造られた

ようです。

このころはまだ基準法も遵守されておらず、まだ伝統工法が

行われていたようでこのころの古民家はたくさんあります。

 

家は古くなると、床が傷んできます。

屋根の次に傷みやすいところです。

床がフワフワする、部分的に床板が落ちそうになっている、

といった支障が出ます。

これは床下の乾燥具合にかなり左右されます。

根太という部材が細くいつも荷重がかかる部分の根太が傷

んでくることもあります。

そして床板は板自体が経年劣化で弱ってきます。

束石という束を支えている石が加重を受けて沈んでいること

もあります。

床板だけの劣化ならばその上から新しい床板を貼って改修する

こともできますが、不具合の度合いが大きいほど根太や大引、

束、束石と取り換える範囲が広くなります。

また、断熱施工となると床板をはがすしかないということも

あります。

(床下空間に余裕があれば床を残したまま断熱施工できること

もあります)

さらに床下の湿気を留めるには防湿の土間コンクリートを打つ

こともあります。

耐震補強となると新しい基礎を造る必要があります。