耐火実験の模様です。

土壁片面塗(3センチ)の壁を反対側から火を当てています。

耐火実験後の反対側ですが、竹の小舞がほとんど炭になって

います。

それでも土壁は形を保っています。

木と土で造った家は耐火性能に優れています。

 

木造建築というと火災に弱いというイメージがあります。

しかし、木材は火炎にさらされてもすぐに着火、燃焼するもの

ではありません。

100℃までに水分が蒸発します。

150℃くらいで表面が褐色に変色します。

木材の高温乾燥と同じです。

200℃くらいで成分が分解されガスが発生し、表面が炭化

します。

250℃を超えると可燃性ガスが増えて引火、煙が発生します。

木材は大体1分間に1ミリ程度燃焼します。

3センチの厚さがあれば30分間は延焼を防いでくれます。

木造校舎の実際の火災に実験ですが、いったん燃え広がると怖いくらい

の炎が巻き上がります。

この家の場合、木と土で造られた壁は簡単には延焼しませんが、

危険なのは開口部です。

ガラス(サッシ)は防火サッシでもない限り炎にあたると熱で

ガラスが砕けます。

何もないのと同じ状態になります。

網入りガラスはガラスが砕け落ちないようにするためのものです。

木材は上述のように簡単には燃えません。

古民家などにある木製の雨戸でも数分間の延焼防止の役目をして

くれます。

自分の家が火災に見舞われたときはどうしようもありませんが、

近隣での火災で非難するときは木製の雨戸でも扉でも閉じておく

ことで延焼を防いでくれます。