数年前にリフォームさせてもらった古民家です。
一時期はやったセパレートの流し台が置いてあったのですが、
新しくするにあたって施主さんが外に置いてあったタイル貼り
のシンクを使いたいというのでカウンターを造作して流し台を
造りました。
タイル張りのシンクは昔時々見ましたが、最近では見ることは
ありません。
「こういった流し台もありか」という気持ちで造りました。
しかし、実際使ってみると不便だったようです。
ステンレスのシンクなどと違ってタイルの凸凹があるので水が
きれいに流れません。
どうしても部分的に水が残ります。
また、この流しはタイルが貼ってあるとはいえ完全な防水性は
ありません。
使った後、ふき取る必要があります。
それゆえ、結局取り換えることになりました。
オールステンレスの流しです。
特別に造ってもらいました。
やはりこれが一番使いやすかったようです。
昔の家には「何となくいいな」「却ってお洒落かも」と感じる
ものがあります。
しかし、現代の便利で清潔な生活に慣れた人にとっては負担に
なることがあります。
古民家を購入してリフォームをして暮らすということもそうです。
雑誌に古民家を改修したお洒落なカフェやソバ屋さんなどが掲載
されているとつい、夢見てしまいます。
しかし、経験のないことに対して無理はしないことです。
あこがれはあってもいいことばかりではありません。
決して、古民家で暮らすことを否定するわけではありません。
実際リフォームして暮らしてみてよかったという人もいます。
土壁で造られているがために廊下や和室の壁際に土が落ちていたり、
寒い日の朝など吐く息が白くなるなどマンションや現代の家では
考えられません。
奈良でも寒い地域に住んでいる方のリフォームの相談に行くと
窓に着いた結露の水が凍って窓が開かなくなるといったことも
あります。
そういったいろんなカルチャーショックを経験するかもしれま
せんが、現代の家にはない住み心地があります。
どうしても我慢できないところはリフォームである程度改善
できます。
少し寒いくらいはなんでもなくなるかもしれません。
子供さんがいる世帯ならご両親よりも子供さんが喜ぶかもしれ
ません。
先入観がありませんから。
広々とした空間で子供さんが伸び伸びと育つのもいいことです。