2階の増築です。

今日、見に行ったところ屋根の下地ができていました。

一本手前の母屋から垂木を取り換えて野地板が施工されています。

垂木は化粧垂木と言って軒裏の杉板と垂木が見える仕上げです。

和風の家では多い仕上げです。

今の家は、軒裏はケイカル板やサイディングで覆ってしまう仕上げ

が増えています。

また軒の出も少ないです。

デザイン住宅などでは軒のない家もあります。

外部に使う外壁材やアルミサッシなどの性能が良くなって直接雨が

かかっても防水上問題ないようになってきています。

しかし、外壁は外壁で屋根のような防水性や対候性は期待できません。

また、軒の出が少ないと真夏の直射日光が直接外壁に当たります。

また、窓から入る日差しも多くなります。

そしてその熱によって室温が上がります。

冬は日差しを取り入れたいところですが、軒の出が大きくても冬場は

日差しが低くなるので日差しは十分に入ります。

デザイン住宅もいいですが、日本には日本の気候風土に合った家造り

があります。

昔の家はどの家も軒が深く、雨や直射日光を遮るように造られています。

昔の家は外壁が土壁のままであったり、板張りや漆喰が使われていたので

雨がかりには弱い家でした。

そのためにも軒の出は深くする必要があったのですが、すぐれた建材でも

直射日光や雨がかりは少ないに越したことはありません。

先日新築の打ち合わせをさせてもらっていたときにご主人のお父様が「軒の

出はどれくらいあるのですか」と訊かれました。

この家は、特別に建築家の先生にお願いしたのですが、先生もそこを突かれ

るとは思わなかったらしく感心されていました。

当社では軒の出は90センチを標準にしているのですが、120センチくらい

になりそうです。