リフォーム工事の現場です。
解体があらかた終わって軸組みが見えてきたので
調査に来ています。
小屋にかかった丸太の梁がすごく太いのがよく分かる
かと思います。
構造上ここまで大きな梁はいらないと思いますが、昔の
上棟時のシンボルのようなものです。
大きな梁が掛かっていると目立ちますから。
ただ単に大きくしているというわけでもなく、重量を
かけて家を落ち着かせるという意味もあったようです。
現代の乾式の家(断熱材はグラスウール、外壁はサイ
ディングよいった水を使わない造り)と比べると土壁は
少し勝手が違います。
柱の間に貫という水平部材が入っていたり、石膏ボード
を使って仕上げている壁もあれば土壁に直接左官仕上げ
している壁もあります。
どんなリフォームも同じですが、間取りを変えようとすると
構造にかかわってきます。
一般消費者の方にしてみれば、柱や壁などどこにでも移動
できそうに思われますが、実際はそうはいきません。
構造を無視すれば別ですが、災害の多い時期、耐震を無視して
造ることはできません。
少なくとも今より弱くなることだけは避けたいです。
壁は下に基礎があってこそ耐力壁になってくれます。
基礎は今ある間仕切りや壁の下にしかありません。
ですから、今ある間仕切りを基準に変更することになります。
どうしても変えたいときは新たに基礎を造ることになります。
以前テレビで放映していたビフォァーアフターではないですが、
あまり派手に解体すればいいというものでもありません。
われわれ業界の人間は慣れているので平気ですが、一般の方
にとってはあまり派手な解体は心配されます。
リフォームとはいえ、今までお世話になった家です。
できるなら今あるものはできるだけ残してほしい(使ってほしい)
と思うものです。
「もったいない」という気持ちは大事です。