丸太の柱に化粧梁を使っています。
この化粧梁、よく見ると側面にひび割れが入っています。
伐採したばかりの木は木の繊維自体の倍近い水分を含んでいます。
含水率200%ということもあります。
この含水率が30%位になると収縮が始まります。
そして平衡含水率と言って空気中の湿度とおなじ15~17%になるまで
乾燥は続きます。
柱などはこのひび割れを1か所に集めるために背割というものを入れます。
背割もひび割れも強度自体に影響はありません。(実験データがあります)
ひび割れは木の芯を超えて進まないので貫通してしまうことがありません。
ひび割れを防ぐために人工乾燥するという方法があります。
自然乾燥の場合は表面が割れますが、人工乾燥は木材の中心部に発生します。
見えないところで割れるより、見えるところで割れた方がいいと思います。
集成材というものがあります。
新しい時は確かに強度が出ますが、製品ですから劣化します。
木の収縮の力は大きいです。
接着剤がどれくらい持つのかはわかりません。
環境のいい乾燥したところで使われていればさほど問題はないかもしれませんが、
乾燥・湿潤を繰り返すようなところでははがれる可能性があります。
「集成材の接着剤の剥がれは木のひび割れとおなじ」といったことを言う人がいる
そうですが、貫通してしまうのでこれは問題外です。