昔の棟梁たちが造ってきた日本の家は西洋の建築学から

見ると理解しがたいものだったそうです。

日本の大学に初めて建築学科を開いたといわれるコンドル

博士は「日本の家は柱と柱の間が大きく開いていて上に

重い梁が載っている。これらの大きな梁は細長い弱い柱に

差合わせてあります。木造家屋の全体に筋違を入れ、三角形

を作りいずれの部分も変形しないように造らなければなりま

せん」と述べています。

非耐震的だといっています。

昔の日本の棟梁たちは基本的に斜め材を使って固定するという

ことはしてきませんでした。

また金物による補強もしませんでした。

金物で緊結するのではなく、一方の木に穴をあけそこにホゾを

差し込み込み栓で留める。

あるいは、切り欠いた木同士を精度良く組み合わせる。

接合部をそのように考えていました。

上記の技師も「仕口は最高の精度で造られている」と感嘆して

います。

切り欠いたり、穴をあけたりするので自然と太い材料が必要

になります。

しかし、力のかかる部材を切り欠くというのは西洋の建築学

では考えられないことで、日本の木組みの家は理解しがたか

ったようです。

現代の家はその西洋建築学にのっとって作られています。

たしかにこの造りの家はここ最近の地震にも有効に働いて

います。

といって、地震はここ数年起き始めたものではありません。

昔から起きていたものです。

それでも伝統的に守られてきた造り方ですから、なくなりつつ

ある古民家といわれる家も何か理にかなったものがあるので

しょうね。