階段を現場で造作しています。
この材種は桧です。
階段を現場で刻んで加工しているところはほかにもあると思います。
しかし、既製品を使っているところがほとんどになりました。
建材メーカーが造っている既製品はプレカットも対応してくれますが、
施主さんの好みや拘りによっては対応できない形の階段もあります。
そんな時は現場で刻むしかありませんが、普段から扱っていないと
急には対応できません。
階段室の手摺です。
これも造作です。
デザインはそれぞれですが、既製品では対応はできません。
しかし、いいことばかりではありません。
手間をかけて造っても無垢の木は乾燥がよくないと収縮します。
反ることもあります。
縮むと隙間ができます。
笠木のように幅のある材料は幅が縮むと突きつけ部分に隙間が
できます。
これは大工さんの腕ではどうにもならないところです。
テーブルなどでは別の固木を埋め込んで割れ防止の細工をしている
のを良く見かけます。
また、傷や汚れが付きやすいです。
昔のこのようは材料に慣れている人は傷や汚れはあまり気にしませんが、
今の人は少し違います。
いい面だけを見てしまう傾向があります。
古民家などもそうです。
今の家とは違う住みづらさが分からずに憧れて手に入れると後悔すること
があります。
既製品は大量生産するために考えられたものですが、どんな人にも対応で
きるように研究、改善を繰り返しています。
ハウスメーカーもそうです。
あらゆる人に対応できるように、幾多のクレームを受けてきたことで今の形
があります。
それだから、後々クレームにつながりそうなことはしません。
ハウスメーカーに自然素材を使うところがほとんどないのはそういった理由
からだと思います。
ウォールナットのような固い木は変形や収縮が少ないので扱うところはあるようですが。