先行足場の組み立て作業中です。
住宅建築の中での一つの工程ですが、基礎工事が完了した時点で
建て方、上棟の前に施工する足場です。
上棟時の足場を確保することで作業者の安全を図るものです。
今では当たり前のことになりましたが、25年くらい前まではこの足場は
上棟が終わってから施工されていました。
今考えてみると大変危険な状態で作業をしていたことになります。
まわりに何もない高いところであの狭い幅の木の上を移動していました。
当時柱は105ミリ(3寸5分)が主流でしたが、これが120ミリ(4寸)に
なっただけでも大工さんが「歩き安くなった」と言っていたものです。
同じ足場でも鋼管足場ならよかった方です。
丸太足場も普通に使われていました。
これは工務店の監督が組んでいることが多かったです。
私も経験があります。
丸太と番線を「しの」という道具を使って組んでいきます。
最初は、番線の縛り方がうまくできなかったものです。
組むのはいいですが、解体する方が怖かったです。
もう丸太足場はめったに見ることはありません。
しかし、この足場に使う丸太は山もちの人にとっては収入源だったそうです。
材木としての木を育てるときに間引きをするのですが、この間引きをした木
が丸太足場として使われていました。
枝打ちした枝は薪としても使われました。
ほとんど捨てることなく使われてきた山の木も今では再利用される事無く打ち捨
てらているのが現状だそうです。