昨日、十津川の家で構造見学会をさせていただきました。

さすがに遠方で、参加者は期待していませんでしたが、

2組の方が遠くから見学に来てくださいました。

この家はエアパス工法で造られているので、私はエアパス

の検査を兼ねて行ってきました。

当社ではガルバリウムを良く使いますが、この家は瓦ぶきです。

これだけ積み上げているとかなり重いということは分かります。

震災前は、ここにまだ土が載っていました。

伝統的な建て方をしていた頃(束石の上に直接柱を建てるような建て方)

は、上から重量をかけることで家を落ち着かせてそれから家の中の造作

に入りました。

私がこの業界に入ったころでもまだ、屋根工事が終わるまでは造作はし

ないものという考えがありました。

屋根の重さというのも家づくりの大事な要素でした。

柱と梁の仕口などが重さでしっかりと接合され、重量で下がるところは

下がることで家がそれ以上変形しない状態になってから造作することで

完成してからの狂いが少なくなります。

土壁の家になれば工期が1年以上は当たり前の時代もありました。

それくらいの時間をかければ自然と構造材も乾燥してくれます。

これこそ天然乾燥の家です。

今では、そんな工期をかけて家を造ることがなくなりました。

当社も長い方ですが、それでも半年です。

時間をかければいいというものでもないですが、何十年と住まう家です

から1年くらいはいいのではと思います。