省エネの時代で、ZEH住宅のように躯体と設備による省エネと創エネ
の工夫によって年間の一次エネルギー消費量をプラスマイナスゼロ
にする住宅がありますが、住宅を造る時の省エネと言えば二酸化炭素
の排出量の抑制というのがあります。
二酸化炭素はたくさんのエネルギーを使うほど発生が多くなります。
建物を構成している材料に関していえば影響が大きいのは構造材です。
構造に用いられる材料で一番、二酸化炭素の排出を抑制できるのは
木材です。
成長の過程で二酸化炭素を吸収して固定するので二酸化炭素は発生し
ません。
伐採や製材の過程では多少発生しますが、鋼材等とは比べ物にならない
くらいに少ないです。
ちなみに、木材(天然乾燥)54.76kg-CO2/㎥に対して鋼材は19,506.67
kg-CO2/㎥、アルミに至っては80,666.67kg-CO2/㎥です。
アルミサッシはすごいですね。
ただ、木材ならすべていいかというとそうではなく、製造時に差が出るのが
乾燥の工程。
天然乾燥は排出量はほぼゼロですが、人工乾燥はボイラーなどで大きなエネルギー
を使います。
もう一つは、無垢材か集成材か。
集成材は材を切断したり接着したりするので排出量は増えます。
輸送時の排出量は輸送距離に比例します。
集成材によく使われる欧州材は製造時に排出する二酸化炭素の5倍以上を輸送時に
排出しています。
このように、なるべく近くからじっくり乾燥させた無垢材を構造に使うことで
[エコ住宅]となります。地産地消です。
このような木材の中でも二酸化炭素の排出量が極めて少ないものがあります。
それが古材です。
既に製材されていて切断や乾燥などのエネルギーが最小限に抑えられます。
どちらかと言えば思い入れなどから使われることが多い材料ですが、たいへん
エコな材料です。
そういう点では土壁もそうです。
ビニールクロスのような新建材よりも施工時の手間はかかりますが、二酸化炭素
の排出量はずっと抑えられます。