耐震性や省エネ性が一定以上の基準を満たすと認定される「長期優良住宅」制度
この制度には税制上どんなメリットがあり、どんな性能の違いがあるのでしょう。
「ハウスメーカーから熱心に長期優良住宅を勧められる、耐震性が高く税優遇も
多いという理由で」といった話があります。
長期優良住宅は長く住み続けられる家を増やすことが目的で造られた制度です。
耐震性や耐劣化性、省エネ性など一定の基準を満たし保全計画を提出することが
必要です。
施工する側にしてみるとこれで長持ちするのかという疑問を抱く規制もありますが。
認定を取得する人が増えているのは一定以上の品質を備えているというお墨付きに
なるからです。
仮に転売することになっても認定されていない家より高額で取引されるでしょう。
また、いろんな優遇策があるのも事実です。
住宅ローン減税は10年間、年末のローン残高の1%っを税額控除してくれます。
通常の住宅が10年累計で400万円ですが、長期は500万円です。
固定資産税も新築住宅の場合2分の1にする期間が5年と2年長くなります。
フラット35Sを利用しても当初10年の金利が0.3%引き下げられます。
地震保険も割引対象です。
ただ、認定にかかる費用がどれくらいかと言われると難しいです。
審査料もかかりますが、材料費や施工費の方が大きいです。
長期ばかり建てているところではもともとの仕様が基準に達しているので施工上の
コストアップはほとんどありませんが、標準仕様が長期優良に満たないところは
100万程度余分にかかるといわれます。
当社の場合は長期を標準にしていますが、この制度ができた当初は35坪程度の家
で60万位余分に施工費がかかりました。
また、税制優遇と言っても税額控除の恩恵を受けるのは、かなり高額(ある試算では
6800万円 フラット35S)の借り入れの場合だけです。
長期優良住宅の制度が出始めた頃、長期をお勧めしても予算上追いつかなくて普通の住宅
で建てたお客さんが、税金を払う段になって「うちは長期ではなかったのですか」と言われ
たことがあります。
しかし、実際は期待するほどの税制上のメリットはないのかもしれません。
長期優良住宅というのはある一定以上の品質を持った家というくらいの感覚でいいと思います。
普通の家に比べてやや高価であってもそれは家の性能向上のための費用と考えましょう。
そんな性能は不要だと判断するのなら、普通の家でもいいのではないですか。
※一部日本経済新聞からの抜粋です。
地域型グリーン化事業にて長期優良住宅の場合1棟当たり100万円の補助金が支給される
制度があります。
各グループに配分されるので工務店が受けられる棟数に限りがありますが。