木材を科学的に分析するとセルロース、ヘミセルロース、リグニンの三つ
の主要な化合物から成り立っています。
セルロースはブドウ糖
細胞壁の主要な部分を構成しています。木材の強度はこれで保たれています。
ヘミセルロースは多糖の混合物で糖として利用され代表的なものがキシリトール。
リグニンはプラスチックの原料にしようとする研究があるそうですが、
細胞壁と細胞壁をくっつける役割を果たしています。
木の細胞を鉄筋コンクリートに例えると、鉄筋がセルロース、鉄筋を結ぶ針金が
ヘミセルロース、コンクリートがリグニンと言われます。
そこで、木材の自然乾燥と機械乾燥についてです。
木材は自然乾燥させる場合切った木を逆さにして立てて保存します。
そうすることで根元から水分が抜けていきます。
機械乾燥をする場合、木は横に積み上げて乾燥機に入れます。
根元からではなく横から水分を抜こうとするとセルロースも一緒に
抜けてしまいます。
機械乾燥機の下にたまった水をなめてみると[甘い]という話があります。
強度を保つためのセルロースが抜けてしまうことになります。
しかし、このセルロースは白蟻のエサとなります。
セルロースはブドウ糖とはいってもでんぷんとは違う結合をしていて人間
をはじめとする動物は分解できないのですが、白蟻はこれができます。
白蟻の被害に合った木をよく見て切ると芯になる赤い部分は残っています。
この赤身の部分にはリグニンがあってシロアリはリグニンは食べないからです。
それならすべて赤身ならと思うのですが、そんな木はありませんし、リグニン
だけでは木は簡単に折れてしまいます。
鉄筋コンクリートのたとえです。
木は植えたばかりの細い状態では幹はほとんどが赤身です。
太くなるのはその周りに白太と言われるものが周囲を巻いていくからです。
小さい時は外敵から身を守る必要があるからです。