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日本は、雨が多く湿度の高い国です。

その気候に合わせて、日本の家は軒を深く作る様式が発達してきました。

この軒は、雨や雪から開口部や外壁を守る役目があり、夏の日射を遮蔽

することで、室内を涼しくする役目もあります。

また、軒裏に使う材料を工夫することで反射光を室内に取り込むことも

できます。

近年、デザイン重視で軒の浅い(ほとんどない)家が見受けられます。

この立て方は、やはり日本の気候には合いません。

外壁の傷み(汚れ)も早いですし、大きな開口も取りにくくなります。

「陰翳礼讃」という谷崎潤一郎の著書の中でも日本の伝統的な住宅は、

大きな屋根が特徴でその下には暗闇が広がっているのが日本独特の美意識

であると書かれています。

時代も人の考え方も変わりますが、美意識は別として機能の面でも

日本本来の優れた家づくりは学ぶところが多いと思います。