大工さんの数は1980年に約94万人いたそうですが、それ

以降減少を続けて2020年には最盛期のやく3分の1まで

減少しているといわれます。

そんなに減ったんでしょうか。

私がこの業界に入ったころはたくさんおられたように思い

ますが確かに皆さん高齢でした。

当時の大工さんたちはほぼ廃業していることでしょうし、

若い大工さんが育っているという事もなかったのでそう

かもしれません。

 

 

 

 

 

 

住宅の着工数も当時に比べればかなり減少しているので

何とかバランスをとりながら今に至っているのかもしれ

ません。

 

「大人になったらなりたいもの」のアンケートによると

小学生男子の10位は大工さんだそうです。

もの造りに興味のある子供さんは多いみたいです。

しかし現実には大工さんになろうとする若い人は少ない

です。

大工さんという職業の環境が良くないからでしょう。

大工さんを日当で雇うとだいたい1日当たり2万円から

2万5千円です。

1年間に300日働いたとして収入は簡単に計算できると

思いますが、車から道具代、保険まで自分で掛けること

になると大した収入ではありません。

それが今の現状です。

当社には社員大工さんがいます。

給料制です。

大した給料でなくても経費を含めた1日当たりの日当を

計算すると意外とかかるものです。

仕事の出来高を考えれば一人前の大工さんに日当を払っ

た方が安く済みます。

どんな職種も見習い期間はそんなものだとは思いますが、

仕事の出来高がはっきりわかるだけにどうしても比較して

しまいます。

これが職人さんを育てる難しさかもしれません。

そして育たない原因です。

一人前の大工さんにはそれ相応の日当を確保してあげて、

見習いの大工さんは根気良く育てるしかありません。

しかしそれではただでさえ高騰している住宅価格がますます

高騰します。

経営的には昔ながらの技術を時間をかけて覚えてもらうよりも

誰もができる簡単な家づくりをした方がいいことになります。