構造材を墨付け、手刻みしています。
今に家づくりを始めた20年近くになりますが、ずっと
続けています。
昨今の住宅は性能重視になって素材のこだわることは
少なくなったと思います。
構造材も輸入材や集成材が多いのではないでしょうか。
世界の住宅を見てみると土や石を使った家づくりもあ
ります。
しかし日本では圧倒的に木造の家が多いです。
豊富にあったと言うのも理由ですが湿度を保つ調湿機能
があるのも理由です。
杉の柱一本でビール大ビンの半分から一本分の水分を吸収
する能力があるといわれます。
木は木材になっても生きているということです。
蒸し暑い日本の夏にふさわしい素材です。
土ももちろん調湿機能がありますが土だけでは開口部を
大きくしようとすると構造を保てません。
また柱として使われている木は何気なく建っているわけ
ではなく育ったときと同じく木の元口を下にして立って
います。
梁として使うときは太陽が当たっていた側(背)を上に
向けて掛けます。
また木を継ぐときも元口と末口がつながるように継ぎます。
樹木は環境に合わせて育ちます。
勝手に移動はできませんから。
風呂場や台所には谷間の湿地で育った木を、リビングには
日当たりのよい尾根で育った木が適しています。
当社は手刻みですがさすがにどこで育った木かまではわか
りません。
しかし地元の木は地元で使うに越したことはありません。
最近リフォーム工事が多くなり古民家から築50年、60年位
の家に伺います。
真壁の和風づくりで土壁という家が多いです。
冬寒いというのは当たり前のようになっていますが、ここ
数年夏も暑いという声をよく聞きます。
それだけ気温が上がったんですね。
それと周辺の環境です。
家が建て込んで、道路は舗装され、緑が少なくなりました。
周辺を家で取り囲まれて風通しもよくありません。
大きな樹木も伐採されがちです。
木があるだけでもかなり気温は下がるのですが管理が大変
なのでしょう。
断熱性を上げてエアコンに頼るしかないようになってきました。