住宅では今はバリアフリーは当たり前になっていますが、

昔の家は段差だらけでした。

古民家などは土間から和室に上がるには40㎝から50センチ

くらいの段差がありました。

その後さすがに通り土間はなくなりましたがそれでも玄関の

框は20センチくらいはありましたし、そこに式台を付けるこ

ともありました。

そして和室といえば畳の分だけほかの部屋より高いのが普通

でした。

出入枠の敷居も床の上に載せていました。

 

はじめに畳の間が他の部屋と同じ高さになった時、床が上がっ

ていないのが不自然な感じがしたものです。

和室に入る時、床は上がっているものと勘違いしてガクンと

なったりしました。

次に建具、出入り枠の敷居がなくなりました。

開き戸の敷居がなくなり引戸は鴨居から吊るようになりました。

 

昔は「敷居を踏んではいけない」とよく言われたものですが、

そんな風習や言葉も死語になったみたいです。

確かに敷居がなくなると掃除は楽です。

しかし最初のころは施工が大変になったという面がありました。

敷居があった時は各部屋ごとに床を貼ればよかったのですが、敷

居がなくなると家の端から端まですべての部屋がつながります。

床板の割り付けから考えて施工し始めることになりました。

 

今ではそれが当たり前になっていますがリフォーム、特に古民家

では段差を全くなくすのは難しいです。

梁や鴨居をかわさなければなりません。

大きな段差は困るので分割することになります。

するとどうしてもちょっとした段差ができます。

新建材の場合はどうかわかりませんが、杉や桧を使うと

段差が見分けにくいということがおきます。

今回は框の木口に樹種の違う木を取り付けてみました。