人手不足というのはどこの業界でもあると思います。
建設業界も同じです。
特に職人さんや技術者はどこも不足しています。
工務店では大工さんですね。
左官屋さんも不足気味かもしれません。
国勢調査によると大工さんの人数は2020年時点で29万7900人
で40年前の1980年と比べると約3分の1になっています。
そして大工さんの約60%が50歳以上でそのうち30%が
65歳以上です。
そして30歳未満は7.2%です。
当社の仕事に従事してくれている大工さんもざっと見まわすと
そんな感じです。
65歳以上でも皆さん元気ですが。
私が工務店に入った時、大工さんは15人くらいいましたが、
その当時50歳くらいだった大工さんはもう高齢で大工仕事は
していないでしょう。
当時はたいへん忙しかったですが、その後急激に需要が落ち
込みました。
しかし大工さんも減りました。
このままでは2040年代には10万人を切るかもしれません。
当社には社員大工さんが3人います。
まだ一人前ではありません。
一人前になるには5年以上かかることでしょう。
一人前の大工さんと一緒に仕事をしてもらってますが、昔の見習い
大工さんのような仕込み方はできません。
時間もかかれば、仮に一人前になっても昔の大工さんの8掛けくらい
の仕事しかできないかもしれません。
それでも覚えようとしてくれてはいます。
当社は天然乾燥の木材を手刻みで加工して家づくりをしています。
出入枠や化粧材もすべて無垢の木を使いますから、昔ながらの七つ道具
ノミやカンナを使えないと加工ができません。
それだけに覚えるのも時間がかかります。
しかし、そんな仕事ができるからこそ来てくれています。
プレカットで新建材を組み立てるだけなら来ていないと思います。
職人を育てるというのは時間と経費が掛かります。
お金を生んでくれるまでは投資です。
そして育つとも限らないし、育ったからと言って返してくれるかというと
それもわかりません。
それでも続けるしかありません。