皆さんは学校の教室の窓を覚えていますか。
廊下側の窓ではなく外が見える窓です。
教室で黒板に向かって座った時、窓はいつも左側に
ありませんでしたか。
ご存じだった方もおられると思いますが、私は最近
知りました。
教室の窓が左側に設置されるようになったのは明治
時代で28年に文部省が「学校建築図説明及び設計大要」
を作り
①教室の形状は長方形
②教室の窓の向きは南または西南、東南
③外からの光が生徒の左側から入るようにする
といったルールを決めました。
生徒さんは西を向いて座ることになるのですが、これは
当時照明器具がなかったために外からの明かりを取り入
れる必要がありました。
それで一年を通して日照時間の長い南側に窓を設けました。
また左側から光が入るようにというのは右利きの人が多い
からと言われます。
右利きの人が右から光が入ると手元に影ができるからですね。
ところが例外があって美術室だけは窓は北側にあることが多
いそうです。
直射日光を入れないようにするためです。
日光が差し込むと角度によってモデルの影の形や向きが変わっ
てしまうので絵を描くときなど難しくなるからです。
住宅でも北側の窓は安定した光が取り入れられるので
大きめの窓を設けることがあります。