衣食住は生活の三大要素と言われます。
衣は雨や寒さから体を守るための物でしたが、現代ではまず
ファッションです。
次に機能性、価格でしょうか。
食は当然ながら体を維持していくうえで欠かせないものです。
今や飽食の時代ですから、食べることに困るということはまず
ないのではと思います。
最後に住です。
住もいわば雨露や外敵から体を守るためのものです。
この三つはなくなることはありませんが、これが商売となると
競争は激しくなります。
私はこの中で「住」の仕事をしています。
この住宅産業は日本でもおそらく最大の産業です。
いろんな業種が関わる上に動く金額も大きいです。
それだけに規制も厳しく、環境に与える影響も大きいです。
しかし、この業界も仕事自体がなくなることはありませんが
市場は縮小していきます。
これから先、大量生産はあまり見込めません。
どの業界も両極化で高額商品系かローコスト系に分かれつつ
あります。
住まいも暮らす人の価値観次第です。
どうせ自分の代しか暮らさないのだから30年も持てば十分と
考える人もいれば代々暮らしてほしいと考える人もいます。
環境のためには自分の代だけという家はもったいないです。
空家が増える一方です。
とはいえ代々ここで暮らしていこうと考える人もごく少数だ
と思います。
経済的には家を引き継いでそこで暮らした方が世代ごとに家を
建てる必要はありません。
リフォームして暮らすことができるはずです。
子供ができても親御さんに面倒を見てもらうこともできます。
しかし、この同居ができない若い人が多いです。
この辺りの考え方から変えていく必要があるのかもしれません。
また日本人は新し物好きです。(私もそうですが)
アメリカのようにリフォームすればそれだけ家の価値が上がると
いった仕組みでもあれば空家も減るのですが、アメリカでは移住
することが前提になっていると聞いたことがあります。
単身時、新婚時、子育て時、老後と生活スタイルに合わせて家を
移るといった具合です。
それには100年位は優に持ってくれる頑丈な家が必要です。
しかし、日本は地震が多く、台風などの風水害もあり、多湿で多雨
という厳しい気候条件があります。
古民家は長持ちしていますが、あの造り込まない家づくりが長持ちの
秘訣なのかもしれません。
高気密、高断熱といった省エネ住宅はいいのですが、性能は良くなって
も寿命が延びるとは思えません。