古民家のリフォームです。
床を解体したところ柱の根元が腐朽と蟻害によりかなり
傷んでいます。
これも解体前に反対側から見るとやや足元が傷んでいる
程度でした。
こちらの太い梁はシミのようなものがあります。
反対側は建材で覆われていましたが、剥がしてみると
雨漏れで腐っています。
どちらも柱の根継ぎや梁の取替、柱による補強が必要
になります。
古民家は床下や屋根の状態により構造材がかなり傷んで
いることがあります。
しかし解体してみないとわからないことがたくさんあります。
現代の古民家は建築時のままということはあまりありません。
ほとんどが何度かのリフォームがされています。
そのリフォームも構造材を傷めない、土壁をやたらと撤去しない
正しいリフォームがされていれば問題はありません。
しかしあまり先のことを考えないリフォームもよく見かけられます。
今回の柱にしても土間に石やタイルを貼って嵩上げせず、換気を正
しくとっていればある程度は防げています。
また梁にしても建材で隠してしまうようなリフォームでなければ
早期に発見できたはずですし、露出していれば乾燥もするのでここ
まで傷むことはありません。
古民家と言われる家は本来、どの部屋も真壁と言って柱や梁が見え
ている家です。
これを建材などで覆てしまえば部屋としてはきれいに見えますが、
隠れたところでどうなっているかがわからなくなります。
古民家は現代の家のように外壁の防水性はよくありません。
外壁に防湿シートなどは使われていません。
土壁で外部も真壁という家もたくさんあります。
屋根も経年で傷んでいることがあります。
ルーフィング(防水紙)が使われていない屋根もあります。
古民家に限らずどんな家も床下の通気や換気、屋根の防水は家の寿命
に大きく影響します。