住宅業界はこれからも性能向上に向けた施策が実施されていきます。

断熱や耐震など、省エネ等級の見直しや構造計算の義務化などが

予定されています。

特にこの時期、寒くなってくると断熱性の向上は必要と実感されます。

 

 

 

 

 

 

リフォーム工事においても開口部、サッシの断熱化や床、壁、天井

に断熱材の付加などは必ずと言っていいほど施工されています。

実際、アンケートでも生活していて「寒いと感じる」「一部の部屋

では寒く感じる」と答えた人が全体の80%を締めます。

しかし、断熱リフォームに関しては「工事をしたことがない」「検討

したこともない」という人が80%を占めています。

これは意外でした。

皆さんはどうですか。

快適性や健康リスクの軽減、光熱費の削減に関心がありませんか。

リフォームしたからと言って快適性が実感できるかどうかわからない、

暑さ、寒さの感覚は人それぞれでどれくらいの断熱を施せば実感できる

のか明確な根拠がないからかもしれません。

 

リフォームの打ち合わせに伺うと本当に寒く感じる家はあります。

しかし生活している方はそれほど寒く感じていないこともあります。

「冬はこんなもの」みたいな感じです。

そんな方に断熱リフォームを勧めても失礼です。

 

特に古民家のリフォーム工事。

最低開口部だけでも断熱性の良いサッシに取り換えてはと思うこと

があります。

しかし「古民家の雰囲気がなくなってしまう」という理由でそのまま

にという人もいます。

私も古民家の縁側などの木製建具はできれば残しておきたいと思います。

かすかにひずんだガラスは今では手に入りませんし、木製の雨戸などは

好きです。

しかし断熱のためにはこれは取り換えたほうがいいです。

そこは暮らす人の優先順位です。

そのままのほうが施工費も抑えることができます。

 

消費者の方にしてみれば私たち施工者側が思うほど断熱リフォームには

今一つメリットが感じられないんでしょうね。

もっと具体的に室内温度が「何度上がる」とか「体感的にどうか」「光熱

費が毎月これだけ節約できる」といった数値を示すことができれば考えも

変わるのかもしれません。