木工事の完了検査です。
大工さんの仕事が終わってこれからクロス屋さんと
左官屋さんが入ります。
一般的には壁や天井はすべてクロス仕上げの家が多いと思いますが、
当社では壁は漆喰などの左官仕上げ、天井はコットンクロスや
和紙、杉板貼りという仕上げが多いです。
クロスと左官の仕上げで下地の石膏ボードに違いはありませんが、
出入り枠や笠木など壁にとりつく部材には少し違いがあります。
クロスはご存じのように薄いビニールや紙のようなものですが、
左官は鏝(コテ)で材料を塗るので少し厚みがあります。
その分、枠や笠木の幅が広いです。
現代の家は大壁と言って柱が見えていない仕上げの部屋がほとんどです。
大壁の広い壁の仕上げにはクロスが適しています。
しかし、左官仕上げは人が鏝を左右に振りながら移動していくので
平滑に仕上げることが難しくなります。
真壁のように柱が等間隔にあれば移動しないでその区画ごとに区切って
仕上げることができます。
これはあまり鏝ムラができません。
昔の漆喰のように平滑な仕上げよりも鏝波のある仕上げの左官が多い
のはそういった理由もあります。
屋根をすっきり見せるためにケラバに母屋を出さないこと多いのですが、
こちらの家は屋根の構面の関係で母屋を出させてもらいました。
母屋を出している家はたくさんありますが、この母屋が雨漏れの原因に
なることがあります。
母屋にひび割れが入ってその隙間から水が侵入します。
そんなことがあるのかと思われますが、実際起きました。
そこで母屋の木口を板金で塞いでいます。
昔の家、純和風の家では母屋が出ている家が多いです。
しかし、雨漏れなどないと言われますが、土壁なのでおそらく部屋内に
侵入するまでに土が吸ってしまうのではないかと思います。
現代の家はすべて乾式で水を吸うような材料はありません。