リフォーム工事をしていると今でも土壁の家はたくさんあります。
当社では土壁の家を施工させてもらったのは20年くらい前が最後
だったと思います。
和瓦の純和風の家はみんな土壁でした。
土壁の起源は仏教とともに大陸から伝わったとされていますが、
木材や石材と違って遺構として残りにくいもので出土品として
見つかることはないようです。
土壁は何より耐火性があります。
また生産も簡単というかどこにでもあります。
しかし、近年土壁で施工する家はなくなりました。
やっぱり乾式の現代の壁に比べれば手間もかかれば工期もかかります。
乾燥を待っていれば2か月や3か月は優にかかります。
そんな土壁ですが、日本の高温多湿な気候には適しています。
調湿性は優れていますし、夏はひんやりと涼しい空間を作ってくれます。
寒いと思われがちですが(断熱性はあまりありません)、蓄熱性があって
優しい暖かさを持続してくれます。
もちろんいいことばかりではなく、ひび割れが入ることもありますし、
剥がれて落ちることもあります。
以前リフォームで部分的に土壁を施工させてもらったことがありますが、
施工時期により水分を放出することができなくなり、カビが発生した
ことがあります。
今仮に土壁を施工してほしいと言われても材料の入手も難しいですし、
施工できる左官屋さんも少なく、何より小舞といって下地の竹を編ん
でくれる人がいません。
そういえば以前施工させてもらったときは竹ではなく細い木を組んで
下地を作りました。
竹小舞ではなく、木小舞でした。