新築の家の基礎工事中です。
基礎はどの家もほぼ同じで木造ならべた基礎が主流です。
プレハブは布基礎を採用しているところが多いです。
鉄筋の量がだんだん増えていっているように感じますが、木造の家
にここまで必要かとも思います。
当社は今でも普通に換気口を設けています。
いわゆる基礎パッキンは使っていません。
どちらもメリットとデメリットはあると思います。
今では写真のように鉄筋コンクリートの基礎が当たり前ですが、これ
が義務付けられたのは1981年6月からですから、40年ほど前までは
鉄筋は任意だったので使われていない家もたくさんあります。
ご存じかと思いますが、コンクリートというのは圧縮に対しては
強力ですが、引っ張りや曲げの力に弱い構造物です。
そこで引っ張りに強い鉄筋を混ぜることで両方の力に対抗できるように
なっています。
鉄筋が入っているとひび割れを起こさないように思われますが、ひび割れ
が起きないわけではありません。
経年劣化によって無筋のコンクリートよりもひび割れの数が多くなること
もあります。ヒビの隙間は狭いですが。
またコンクリートはアルカリ性で鉄筋がさびにくくなっていますが、経年
によりコンクリートも徐々に中性化していきます。
それが内部に及ぶと鉄筋がさびを起こして「爆裂」という現象を起こします。
コンクリートが剥がれてさびた鉄筋がむき出しになっているのをご覧になった
方もいるかと思います。
これを防ぐには強度の高い生コンを使う、鉄筋に達する時間を稼ぎためにコン
クリートのかぶりを大きくするといった方法があります。
現代の家はこの鉄筋コンクリートの基礎によって家自体が地面に固定されている
状態です。
剛性で地震に対抗する構造物です。
地面が揺れれば免震構造でもない限り一緒に家も揺れます。
一方、こちらは昔の家、いわゆる古民家です。
伝統工法と言われる構造の家です。
家は地面に固定されていません。
地面に据えられた石の上に載っているだけです。
地震で地面が揺れると家も当然揺れますが固定されていないので
地面に引っ張られることはありません。
ある意味免震です。
「これで良かったのでは」と思うのですが。
木材は地面の湿気を吸うと腐るという性質があります。
そこで石の上に柱を建てましたが、地面からもっと離す、なおかつ
不動沈下を起こさないようにするには布基礎にして高くするしか
ありません。
その基礎の上に家を載せると今度はそこからずり落ちないように
しなければなりません。
そこで基礎の上に土台を固定するようになりました。
しかし地震が来ると横からの力がかかります。
そこで筋違が必要になりました。
ところが大きな力で横から押されると筋違に突っ張られて柱が抜けて
しまいます。
そこでホールダウン金物で柱を基礎に固定することになりました。
そして現代のような構造の家になったんですね。