昨年から今年にかけて、国中は新型コロナ一色でした。
昨年は大雨による災害はあったものの、地震はしばらく
落ち着いていました。
ところが、やはりというかいきなりまた福島で地震が発生
しました。
前回のような津波はなかったものの10年経過してまた地震
ですから、地元の人はたまったものではないでしょう。
今日はまた、和歌山でも発生しています。
本当にどこで起きるかわかりません。
現代の家は法改正もあって耐震性能はかなり上がってきています。
それでもまだ、耐震等級1は最低限満たしていても等級2・等級3
は満たされていない家もあります。
新耐震基準も満たされていない家もあります。
どれだけ頑丈に造っても倒壊あるいは損傷を必ず防げるという保証
はありませんが、等級は高いほど安心ではあります。
現代の家は、ほぼ在来工法という工法で建てられています。
これは建築基準法にのっとった住宅です。
しかし、古民家のように昔からある伝統工法で建てられている家も
まだ残っています。
どちらが丈夫かはこれは実際に大きな地震に遭遇してみないとわか
りません。
伝統工法の家は経年による劣化もありますから単純に比較はできません。
阪神の震災時には昔の伝統工法の家がたくさん倒壊したように報道された
ようですが、実際にはその時伝統工法の家はほとんどなく建築基準法に
よって建てられた年代を経過した家だったということが掲載されている
記事もあります。
九州、熊本での震災は震度7クラスの大きな地震が2度起きるという特殊な
状況でしたが、現地を見た業界の人がどんな家を建てても持たないのでは
ないかと思ったそうです。
震度7クラスの地震が再発した場合、等級3は満たしておかなければ持たない
という見解もありました。
しかし、家の地震に対する強さは耐震等級だけでなく壁や柱の直下率も影響
します。
オープンな間取りの家が増えていますが、これも地震には不利な間取りです。
写真は昨年軸組を伝統工法で施工させてもらった家の写真です。
伝統工法ですから、耐震等級は取れません。
これと言って施主さんに提示できる計算根拠もありません
しいて言えば限界耐力計算をすることになるでしょう。
しかし、実際に造ってみて感じたのは在来工法よりも頑丈だろうということは
実感できました。
筋違や合板による壁を使わなくても水平方向の木組みだけでこれくらい頑丈に
造ることができるのだと感じました。
これからも続いてほしい建築技術です。