今度新築させていただく家の模型です。
家づくりにはプランの打ち合わせが必要です。
これから家を建てようとする人には新しい家の間取りに
ついてある程度の想像はできても具体的に組み立てること
はできません。
そこを工務店やメーカーが打合せを重ねて一緒に家づくり
をしていくことになります。
施主さんにとってみれば、四角い部屋を並べることで間取り
ができるように思いますが、少なくとも木造軸組みの家は
柱と梁で組まれた枠を1階と2階で無理のないように組み合
わせなければなりません。
2階の外壁や大きな力がかかる壁や柱の下(1階)にはそれ
を支える柱や壁が必要になります。
昔ある設計講座で習ったのは2階の間取りを書いてから2階の
壁をそのまま1階におろしてそこのLDKなどの主な部屋を取り
込み、その周囲に玄関や水回りを付属させるようにプランを作
ると構造的に無理のない家づくりができると教わりました。
まず、2階の荷重を支えることが前提ということです。
家の外壁というのは重いです。屋根の荷重もかかります。
その下に大きな開口は設けないほうが良いですし、間仕切り壁も
1階のどこかで柱で支えてやることが必要です。
専門的には「直下率」と言います。
2階の荷重を1階でどれだけ支えているかが大事です。
さらに耐震性能を上げようとすると壁(耐力壁)が必要になります。
壁は確かに大事ですが、まず荷重を支えてやることが先です。
地震に関係なく、荷重はいつもかかっています。
大きな梁でも無理な荷重がかかりっぱなしでは垂れ下がることはあります。
当社は、リフォームも施工します。
築30年から40年くらいの家になるとこの直下率が悪い、というか2階の
間仕切りや外壁の下に壁や柱の少ない家が多いということです。
これは簡単にわかります。
1階の平面図の上に階段を合わせて重ねて書けば2階の壁がどこに載って
いるかは誰でもわかります。
このような家は耐震よりもその前に柱や壁の追加が必要になります。
LDKの中に柱が必要になることもよくあります。
これが古民家になると壁は少ないですが、柱の位置はほぼそろっています。
グリッドがうまく組まれています。
無理な造り方をしなかったんですね。
ところがだんだんと施主さんの要望が多様化していき、無理な間取りを造
らざるを得なくなってきたのかもしれません。
またこれくらいなら大丈夫だろうという考えもあったかもしれません。
現代は、度重なる地震で耐力壁も直下率も重視されるようになっていますが、
直下率はまだ見逃されがちのように感じます。