伝統工法の軸組の家ですが、現代の家は断熱も重視されます。
伝統工法だからと言って断熱を軽く見ることはできません。
伝統ですから土壁という選択もありますが、これは施主さんに
かなり理解してもらわなければなりません。
それこそ究極の環境にやさしい材料ですが、蓄熱性はあっても
断熱性はほとんどありません。
夏は比較的涼しい(日射を遮断してくれる)ですが、冬は冷え
込みます。
当社では自社で温熱計算をしています。
その計算は設計の子がしているので私は結果や数値を見るだけ
なのですが、断熱材の性能に左右されます。
当然厚みがあればそれに比例します。
高性能になればなるほど環境に良くないものが含まれている
ようには思いますが。
木の繊維を使った自然素材の断熱材もありますが、やはり高価
です。
当社も採用を検討していますがコストの面がネックになって
います。
関西地方でもHEAT20によるG1、G2レベルの家を造っている
ところもあります。
そこまでの性能が必要かどうかは住む人によりますが、やはり
冬暖かいというのは身体が楽です。
お年寄りならばなおさらでしょう。
先日のリフォームの見学会でも「冬の寒さを解消したい」という
人が多かったです。
この断熱ですが、どのレベルまで持って行くかは難しいところ
です。
数字で示すしかないのですが、人それぞれの体感温度は違います。
いくら断熱性能を上げても室内の仕上げによっても体感温度は変
わります。
床のように足が接触する部分は体感にかなり影響します。
また壁からの輻射熱にもよります。
余裕を見た設定をしておかないと「こんなはずではなかった」と
もなりかねません。
断熱のリフォームは施工にも大きく左右されます。
少しの隙間でもあれば気流によって性能は下がります。
グラスウールはよく使われますが、実際この断熱材ほど施工が難しい
ものはないかもしれません。
防湿層を連続させなけらばなりませんし、気流止めも難しいです。
充填断熱、外断熱、吹付けによる断熱、いろいろありますが、躯体を
傷めない施工が望ましいです。
壁の中は見えないのでどこで結露を起こすかわかりません。
温度差があればどこかで起きるものです。
とりあえずは、躯体に影響しに杭施工方法で目安として数値を提示して
もらうかありません。