新築の家を刻んでいます。
これは土台に使う材料で、ヒノキです。
こちらは墨付けが終わった材料で、梁に使う杉です。
天然乾燥材を使っているのできれいなピンク色をしています。
香りもいいのですが、私はもうわからなくなっています。
新築もリフォームも構造材は天然乾燥材を使うのでいつも木
の香りをかいでいるせいかわからなくなっています。
これは当社の家に住んでいる人みんなが言います。
お客さんが来ると「いい香りがしますね」と言ってもらえるの
ですが「自分ではわからない」ようです。
新築の家はすべて大工さんに刻んでもらっています。
今はプレカットという便利なものがあるので手刻みをするところ
は少なくなりました。
大工さんも昔は刻んでいたという人が多いですが、しばらくして
いないとなかなか勘が戻らないようです。
手刻みは時間も手間もかかるし、大工さんの腕にも左右されます。
別にそんな手間をかける必要はないかもしれませんが、これも大事
な技術です。
今はリフォームの仕事が増えてきていますが、リフォームも木造軸組
みの家がたくさんあります。
大掛かりなリフォームでは構造にも手を加えます。
現場で構造材を加工することになりますから手刻みの技術は必要です。
化粧に使う柱に鉋掛けをしてもらっています。
構造材はプレーナーやモルダーといった機械を通して出荷されてきます。
見た目はきれいですが、化粧になる部分はそのまま使うことはできません。
機械はやはり機械で、刃物で木の繊維を引きちぎるようにして仕上げます
が、手鉋は繊維をきれいに切って仕上げることができます。
実際横で見ていると手鉋を掛けたところは光ります。
水を落としてもはじきます。
塗装をしても塗装が剥げます。
ですから、塗装をしないで外部に使っても長持ちします。
木を加工するための道具として優れたものです。