外皮熱貫流率の計算書です。
日本は南北に長い国なのでどこの地域でも同じ断熱性能
で良いというわけにはいきません。
北海道には北海道に適した断熱性能、九州には九州に適
した断熱性のが必要です。
そこで日本は温熱地域区分でどれくらいの性能が必要かを
地域ごとに区分しています。
奈良県はその中でも4地域と5地域に分けられます。
しかし、4地域は奈良県でも特に寒い地域、都祁や生駒市、
宇陀市といった地域に限られています。
この計算書は今度新築させてもらう家の計算書で5地域に
属しています。
計算結果は「外皮熱貫流率の基準Ua」 0.53という数値です。
数値は小さいほど断熱性能に優れています。
2020年の基準Uaは見送られましたが、5地域0.87でした。
しかし、ZEH基準では0.60です。
そして「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」
が作成した基準HEAT20においては
G1では0.48、G2では0.34 とさらに厳しくなっています。
当社の計算結果である0.53という数値はエアパス工法という
パッシブソーラーハウスの通期のためのダンパーを閉じた状態
での数値です。
通気のためのダンパーは夏は開けて、冬は閉じてもらうように
しています。
冬の状態での数値です。
数値だけを比べるともっと高性能な家はまだまだあると思います。
この数値を前面に出しているメーカーもあると思います。
ただし、数値だけでは快適な生活空間は約束できません。
床や壁、天井に使う素材によっても体感温度は変わります。
また輻射熱もかなり影響します。
しかし、一つの目安として数値は人に説明しやすい資料になります。
断熱基準の義務化は見送られましたが、この数値は提示するように
なりました。
性能がすべてではないですが、この数値を重視する人は増えてくる
でしょうね。