数年前に「環境共棲住宅」という家が理想のように言われた
ことがありました。
環境保護のために国産材、自然素材を使い、周囲の自然環境
と調和させる住宅です。
もちろん、はるか昔の家のように環境負荷か低いだけの住宅
ではなく、太陽光発電や雨水の利用による省エネでもある住宅
です。
しかし、ここ数年住宅関連の雑誌を見ていると省エネ(断熱)
に関する記事が本当に多くなりました。
ZEH住宅、ヒート20におけるG1、G2レベルの家などの高断熱
住宅です。
家の断熱・気密性を高くすれば、温度差の少ない快適な住環境
を造ることができます。これはすなわち省エネにつながります。
そこに太陽光発電設備を設置すればさらに光熱費を抑えること
ができます。
いろんな試算結果を見ても太陽光発電設備を設置すれば初期投資
をしてもそれを上回る光熱費の削減につながるという結果が出て
います。
ここ関西地方は東北や北海道ほど寒くないのが原因で高断熱の家
はあまりまだ普及していません。
我慢できる程度の寒さゆえにヒートショックによる被害はかえって
多いのが現状です。
2020年には省エネ基準が義務化される予定でしたが、見送られる
ことになりました。
基準に満たない住宅が多いというのが理由のようですが、どうして
あれくらいの断熱性が確保できないのか不思議だったのですが、
九州などの比較的暖かいところではそこまで必要ないのかもとも
思っていました。
日本は南北に長いだけにその地域独特の特性があります。
しかし、今はやりの古民家のような家づくりしている工務店にとっ
てはこれを採用されると建てられなくなります。
室内側が真壁、外壁も真壁、壁は土壁では省エネ基準は到底満たせ
ません。
そのような作りの家を望む人は少ないかもしれませんが、なくなって
しまっていいものではありません。
いずれ何らかの基準は義務化されることになると思いますが、施主様
が納得の上でならばどんな家づくりも良しとすべきではないでしょうか。
伝統的な家づくりがなくなるのはさびしいですから。