あと少しで大工工事が終わります。
燻された黒い梁がくっきりとしています。
壁を漆喰で仕上げればさらに際立つと思います。
古い建物リフォームをしていると構造さえしっかりしていれば
何度でもリフォームできるように思います。
それには、既存の構造を傷めないことが大事です。
古民家といわれる家は当然今とは違った生活様式を前提に造ら
れています。
内法といって床から鴨居までの高さは1.8m足らずです。
これは和室の鴨居だけに限らず通り土間と竈がある境にかかって
いる煙返しといわれる大きな梁も土間から同じくらいの高さで設
けられています。
和室や上り口にある半床といわれるものは土間から40㎝から60㎝
上がっていますから、今の生活様式に合わせて床レベルをフラット
(バリアフリー)にするには無理があります。
たまにこの煙返しといわれる大きな梁を取ってしまってリフォームして
いる家もあります。
床レベルをそろえるにはほかに方法がなかったのでしょう。
しかし、構造上これは大きなリスクがあります。
100年以上持つような構造のしっかりした家は大事な構造を傷めない
ことが大切だと思います。
100年も経過すれば生活様式が変わるのは当たり前です。
そしてリフォームを繰り返すことも十分あり得ます。
今リフォームしている古民家もこの後20年30年経過すればまたリフォ
ームすることがあるかもしれません。
その時、安心してリフォームできるようにしておくことが大事だと思います。