新築の家の構造材をこれから加工します。
当社ではプレカットはしないで大工さんが墨付け・手刻みしています。
この材料は吉野の川上村というところから取り寄せています。
吉野といっても広いですが、化粧に使える節のない木も扱っています。
吉野というところは木が成長するにしたがって間引きをしたり枝打ちを
したりして成長を管理しています。
この枝打ちですが、節のない木を取るには必要なのですが、節のある
1等材として頼むと死に節といって枯れた枝が出てきます。
生きている枝は生き節として残るのですが、死に節は見た目もよくあり
ません。
写真の木材は天然乾燥しています。
木材は乾燥することで強度が上がります。
杉の木は伐採時、含水率は150%ほどあります。
切り倒して枝や葉をつけたまま放置すること(葉枯らし乾燥)で50~
60%です。
製材して1年から2年自然乾燥しても30%くらい、組み立て時に25%、
仕上げの段階で20%くらいまで落ちます。
そこからさらに乾燥が進んでいきます。これでいいと思います。
しかし、今では機械乾燥がほとんどです。
いきなり20%を切るくらいまで乾燥させます。
使う方はすぐに乾燥した木が使えて便利ですが、防腐や耐久性を保つため
の成分が抜けてしまいます。
かなりの高温を加えますから。
また乾燥には大量の燃料が使われます。
木は生き物ですから、それぞれ癖があります。
木目などを見て判断します。
それを見ながら大工さんが加工します。
せっかくの技術ですし、これができるからリフォームにも対応できます。
組み立てることしかできなくなっては、既存の家を改修することはできま
せん。
プレカットは大量生産に向いています。
しかし、これからは大量生産する時代ではないです。