シロアリ対策としての防蟻処理剤と言えば昔はクレオソートでした。

今でもリフォームの家に行くとクレオソートと塗布した土台を見る

ことがあります。

その後、透明の油性の溶剤を噴霧器で散布する方法が採られていました。

新築の現場では、白蟻処理業者が入る時は大工さんは現場を休んだもの

です。

臭いがきつかったですし、実際散布している職人さんは雨具のような

防護服にマスクをしていましたから、あまり近寄りたくないと思った

でしょう。

 

今、ホウ酸系の防蟻剤がよく使われるようになりました。

当社も使っています。

アメリカでは1980年ごろから使われているそうですが、当時は大工さん

がマスクもせずに家全体にホウ酸系の薬剤を散布していたそうです。

家全体に散布するのはアメリカカンザイシロアリと言って日本でも何件か

被害にあったという話を聞いたことがありますが、カンザイというくらい

で、乾燥した木材でも繁殖していくので小屋裏まで散布する必要がある

からです。

 

ホウ酸系の薬剤は、従来の薬剤と違って人体への影響はほとんどないという

ことになっています。

それで急に普及してきているのですが、本来は繁殖を防ぐだけでシロアリを

退治することはできないようです。

また、どういうわけか従来のシロアリ業者さんはこの薬剤をほとんど扱いません。

繁殖を防ぐというより、退治することが前提だからでしょうか。

 

シロアリによる被害は家のつくり方も変わってきてずいぶん少なくなりました。

昔ながらの造りの家では時々見受けられますが、土間コンや防湿シートを使う

ようになってからはほとんどないと思います。

ただ、木を付けなければならないのが玄関や勝手口です。

水を持ち込みやすく、木が地面に近いですから、ここは白蟻の被害を受けやすい

ところです。