今、建築中の家です。

おもに奈良県で仕事をさせてもらっているので、

奈良県吉野の川上の木を使っています。

当社の特徴としては、その吉野の木を天然乾燥材で手刻みで造っているところです。

「地産地消」という言葉がありますが、昔は地元の木を使うのが当たり前でした。

輸送は大変でしたから、近くにある木を使った方が経済的です。

しかし、今ではほとんどの家が集成材や輸入材を使って造られます。

輸入材はほとんど乱伐されたものです。

現地の山も荒廃しますし、地元の木が使われないことによって植林された日本の山も

荒廃します。

日本で使われている木は植林されたもので、これは管理が必要です。

地元の木で造られた家に住むということは誰もが望むはずですが、実際は輸入材や集成材

で造られた家に住んでいる人が多いはずです。

そこはやはり予算が優先されますし、自分の気に入った家づくりをしている会社が

地元の木を使っているとは限りません。

価格だけを比べれば、同じ日本の木でも地元の木を使うより輸送費を入れても他府県の木の

方が安いこともあります。

木の価格も地域差があります。

地元の木が高いからと言って、林業が栄えているかと言えばそんなこともありません。

同じ山でも輸送のための車が入れるか入れないかで赤字になるかどうかが決まるというくらい

ぎりぎりの中で生産しているのが現状です。

地元の木はほとんどが地元の工務店が扱っています。

もっとたくさん使ってやればとも思いますが、これがハウスメーカーのように大きなところが

取引するとなると出荷(生産)が追い付かなくなります。

もともとそのような使い方をされるものではないのです。

日本の住宅の平均寿命は30年とも40年とも言われますが、数十年かけて育ったものですから、

もっと時間をかけて造り、そして永く使ってやるものです。

育つまでにかかった年数使ってやれば、自然は荒廃しないと言われます。