古民家と言われる家です。
リフォームで通り土間に床を造ってあります。
通り土間はこの家が建てられた時代では使いやすい作りでした。
私の実家も同じように通り土間がありました。
玄関から裏までそのまま通り抜けられます。
農家なので、汚れた服装でもそのまま入ってきて同じく土間にある竈
でご飯を炊き、そこでそのまま椅子に座ってでも食事ができます。
汚しても掃除が簡単です。
母が、使った後のお茶の葉を床にまいて掃き掃除をしていたのを覚えています。
しかし、この通り土間も現代の生活では使いづらいものです。
そこでリフォームとなるとほとんどの家が床を造ります。
しかし、このような家は土間を基準に造られている煙返しや鴨居があるために
そんなに高い床が造れません。
時にはその鴨居や煙返しを撤去してリフォームしてある家もありますが、
これはこのようなつくりの家では実際はご法度です。
しっかりした構造計算でもしないと本来の強度は保てません。
この家は構造材は触らない代わりにごく低い床が造られています。
しかし、この低い床は地面に近く通気も取れていないために白蟻の被害や
腐朽の原因になります。
以前に同じようなつくりをして白蟻が発生しほかの部屋までまわって広範囲にわたる
リフォームになったことがあります。
それほど白蟻は怖いです。
ある京都の町屋でのリフォーム事例を見学させてもらったのですが、タイルを使って床
を造ってありました。
しかも、タイルの下には温水式の暖房を設けてありました。
これも一つの改修方法です。
構造をできるだけ傷めることなく改修ができます。
冬は床暖房で寒さを和らげ、夏は土間の冷気を利用して暑さを和らげることができます。