人の身体の中心温度はほぼ37度に保たれていますが、

これは体内で造りだされたエネルギーと等しい量のエネルギー

を放出しているからです。

寒ければ体内で熱を造り暑ければ体内の熱を放散して体温を

調節する機能を持っています。

それが恒温動物です。

近年は人工的な環境に体が順応して体温調節機能が退化して、

変温動物化が進んでいるとも言われます。

ここ数年の夏の暑さは異常ですが、夏場の運動時に変調をきた

したり熱中症にかかる子が増えたのはそのためとも言われます。

しかし、ここ数日でさえ事務所にいてもエアコンに頼らざるを

得ない日が続いています。

どちらかというと私は暑さ寒さに鈍感なのか、あまりエアコンを点

けたりはしないのですが(家ではほとんどつけたことがありません)

他の社員が我慢できないようです。

育ってきた環境が違うからでしょう。

 

日本の住宅に最初に「省エネ基準」が制定されたのは1980年

(昭和55年)です。

私がこの仕事に従事し始めた頃は、壁・天井に50ミリのグラスウール

を使い、窓ガラスは単板でした。

今では、断熱も工夫されて住宅の断熱性能は大きく変わりました。

しかし、高気密・高断熱の家は主に高緯度の国で発達したものです。

パリ・札幌は北緯40度、仙台や東京はカイロやロサンゼルスと同じ

北緯30度、ロンドンやベルリンは北緯50度に位置しています。

日本は南北に長いですが、北欧やドイツなどとは根本的に違います。

 

日本も50年前までは「自然室温で暮らせる家」が普通でした。

エアコンなどで加熱も冷却もしない家です。

そんな時代もあったのですね。

冬は火鉢、夏は扇風機くらいのもです。

今とでは住環境が違いますが、夏は風を通して涼み、冬は縁側でほっこり

私の子供の頃のことですが、できるならそんな暮らしもいいと思います。