住宅の仕事に携わっていると、違反建築とまではいかなくとも
完了検査を受けていない建物は結構あります。
この場合、図面通りに作られていないことが多くどこまで図面
を信じていいかわかりません。
耐震補強をしてほしいといわれても筋違の大きさや位置が確定
できません。
しかし、この完了検査を受けなくても大した問題にはならなかっ
た頃に建てられた建物の中には、今も残っている古民家と言われる
家はたくさんあります。
基準法に従わずに昔ながらの立て方で建っている建物です。
建築基準法は昭和25年に制定されているので、基本その後で建てら
れた家は在来工法のはずです。
しかし、実際はそうでなく伝統構法で建てられた家はたくさんあります。
有名な建築雑誌に載るような建物でも違反建築は結構あるといいます。
しかし、平成12年から全国的に住宅でも完了検査を受けるようになりました。
基準法に従った建物しか建てられなくなったのです。
古民家の再生が見直されてきています。
資源を有効に使うという面でも今の住宅と違って長寿命という点でも見直される
べき建物です。
しかし、改修するにしても今の基準法に適合させるのは大変です。
どこかで目をつむってやるしかないのが正直なところです。
古民家と言われる家は、違反建築のお蔭?で残ってきたとも言えますが、まじめ
な建築士が増えれば不適格建築物として取り壊さざるを得なくなるかもしれません。