築70年の母屋と築100年の蔵をリフォームしました。
このお家の敷地より北側はなだらかな山でしたが、そこが大型住宅地として開発されました。
それが災いしたのか山からの水脈が変わったようで、急に敷地内の水はけが悪くなり、井戸の水が極端に増えたり北側の土間も湿気が抜けない状態になっていました。
そこで水路を新たに設け、宅地内に水が行かないようにし、先代から受け継がれた家を次世代に渡すべく工事が始まりました。
通り土間は、高齢のお母様にとっては洗面・お風呂・トイレ・ダイニングキッチンまでの移動が大変なのでバリアフリーで動けるように通路を確保しました。
また蔵は使わなくなった物が置かれたただの物置でしたが、ご主人の書斎として蘇りました。
退職を機にリフォームをされた息子さんが仰りました。
『自分が40年近く働いてきた証の退職金をこんな形で残すことができて感謝しています。黒光りした梁や大黒柱がこんなに美しかったとは気づきませんでした。古くて住みにくいだけだと思っていた家がこんなに快適になるとは想像もしていませ
んでした。先代から引き継ぐ家をさらに息子に引き継がせることができます。』