今から家づくりを考えている方はどれくらいの広さ
を考えているでしょうか。
少し前の話になりますが、家族を単位で考えるときは
一家族を4人で考えることが多かったです。
ご夫婦と子供二人というのが標準的だったんでしょうね。
今では単身世帯もよくありますからずいぶん家族単位も
変わったものです。
当時は家の広さは一人当たり9坪くらいと言われたようです。
4人家族ならば35坪くらいの家が一番暮らしやすいという
考えで造られた家が多かったです。
建売も35坪くらいの家が多かったです。
それが10年くらい前から少ない坪数で家を有効に使うために
廊下を極力なくしたりして少しづつ小さめの家でも家族が暮
らせるようになっていきました。
当社の今の家づくりもそうです。
「広がりの間取り」といって廊下や仕切りの少ない家づくりを
提案してきました。
デメリットとしてはプライベート空間が取りにくい面があります。
部屋を細かく仕切らない、また2階とのつながりを持たせるため、
開放的な部屋にするためにリビングに吹抜けを設けたりしました。
そのような家づくりをするにはある程度の断熱性が必要になります。
当時はまだあまり高気密・高断熱の家は普及していませんでした。
そこで部屋の温度環境をよくするためにパッシブソーラーハウス
を採用する工務店が多くなりました。
15年から20年くらい前になるでしょうか。
OMソーラーやソーラーサーキット、エアサイクル、WB工法、そして
当社も加盟させてもらったエアパス工法です。
当時は他社にはない工法を持つことが市場に出ていくための手段
のような雰囲気がありました。
今ではエアパス工法を採用するお客様は減りましたが、今の当社がある
のはこの工法のおかげだと思っています。
太陽の熱(自然のエネルギー)を利用して空気を排出したり、熱を溜め
たりするのですから理にかなっています。
実際、当社のお客様でも夏涼しいと言ってくれる方がおられます。
冬も使う素材にもよるところが大きいかもしれませんが、明らかに
他の家より暖かいと言われます。
しかし、このソーラーハウスは施工の精度や間取り、周辺環境に左右
されるところがあります。
また高気密・高断熱と違って熱還流率など数値で性能を表すことが
できません。
今ではこのソーラーハウス、どの工法も高気密・高断熱の押され気味で
あえてソーラーハウスを選ぶ人はあまりいません。
特別な工法を使わなくても性能のいい断熱材やサッシを使えばどこの
工務店でも他社と競合することができます。
これが本来の市場の姿かもしれません。
どこの市場でもある姿ですが、家という高額な商品でさえ10年、15年で
大きく変わります。
現代の高気密・高断熱も10年後はどのように変化しているでしょう。
身体にやさしい住環境を提供しようとしているのですが、行き過ぎると
外部と隔絶した住環境になってしまいます。