古民家のリフォームで、2階の床組みをしています。
現代では2階建ての家は普通にあります。
しかし、古民家は2階建ての家は少ないです。
比較的新しい古民家では見かけますが、本当の古民家、基準法以前
の古民家は平屋が多く、2階があっても厨子2階であったり、小屋裏
であったりが多いです。
あの虫籠窓のある2階です。
昔は大名行列もあり、2階から武家を見下ろすのは失礼にあたる
というので2階に部屋は造れなかったとも言われます。
だいたい屋敷が広いので上に広げる必要もなかったのでしょう。
現代の2階建ての家は管柱という3mくらいの柱の上に胴差という
木材を横に通してさらにその上にまた柱を建てて造られています。
通し柱と呼ばれる長い柱は基本的に家の4隅にしか建っていません。
ところが古民家になるとすべての柱が2階の桁まで伸びていて2階の
床はその柱の側面に根太掛けを取り付けて2階の床組みをしている家
が結構あります。
2階建として構造的にはこちらのほうが頑丈です。
地震によって2階の床面で「くの字」に曲がって倒壊するということを
防ぐことができます。
現代では通常 通し柱は家の4隅に建てるのが普通ですが、そこに架かる
胴差や梁による断面欠損により通し柱は本来の力をそがれると言われます。
そこで通り柱だけは太めの柱を使う、または1間おきに通し柱を建てると
いった組み方を採用している家もあります。