どの業界も同じですが、業務を依頼されればある期限内に応え
なければなりません。
工事であれば工期というものがあります。
この工期は絶対であって、そう簡単に伸ばすことはできません。
それまでにも見積もりを依頼される、プラン提案をするにしても
いつまでにそれに応えるかは取引上大切なことです。
この期限というのは社内でも「いついつまでにこれを提出するように」
と課題を出しても社員はつい長い時間を欲しがります。
しかしこの期限というのは延ばしてもどこまでも膨らむものです。
そして伸ばしたからと言っていい案が出るということもありません。
ある音楽家の話ですが、たくさんの曲を作曲されているのですが
「どうしてそんなにたくさんの作曲ができたのですか」
と問われると「期限があったから」と答えられたそうです。
お客様から見積もりやプランの提案を依頼されても社員任せにしている
と「どうしてそんなにかかるのか」と思うことがよくあります。
私自身がせっかちな性格でもあるのですが、待つのも嫌いですし、
「待ってもらっている」と思うのも嫌です。
お客様にしてみれば「それくらいかかるだろう」と思ってもらっていれば
いいですが「そんなにかかるのか」と思われているかもしれません。
世間全般にそうですが「待つ」ということができなくなっていると感じます。
なんでもスピードの時代です。
住宅の建築にしても昔は半年から1年かかるのが普通でしたが、今ではそんなに
待ってもらえませんし、実際一月足らずで施工できるハウスメーカーもあります。
何を調べるにしてもスマホ、パソコンを使えば何でもすぐに答えが出ます。
食べるものしてもそうです。
四季折々の野菜や果物が年中お店に並んでいます。
本来ならば旬の時期が来て初めておいしいと思って食べる新鮮なおいしさが感
じられません。
待つのが苦手な人は多いです。
エレベーターの「閉」というボタンですが、あれが付いているのは日本だけという
のを聞いたことがあるのですが(ウソか本当か走りませんが)つい押してしまいます。
わずか4~5秒のことだそうです。
猫やネズミは待つことができません。
犬は訓練次第で20秒待つことができます。
猿は1分、チンパンジーは5分だそうです。
人は様々ですね。
短い人生だから待ってなどいられないという気持ちもわかりますが、
「果報は寝て待て」「機が熟すまで待つ」といったことわざもあります。
おおらかに構えていたいものです。